neither A nor B

女装するオタク

女装して警察に捕まった話

時々ネタとして話すんですが、毎回書き起こしてるのが面倒なのでブログとして書くことにしました。

省略せずに書くのでダラダラとした文章になります。

 

タイトルの通り「女装して」「警察に捕まった」話です。といっても女装していたから職質に遭っただとか、女装して何らかの行為を行ってしょっぴかれたとかではありません。その方がよっぽど面白いです。要は交通違反ですね。

 

まず前提として、僕は女装を時々しています。その時々の中でかなり調子に乗っているスイッチが入っている場合は外に出ることがあります。女装をなさったことがある方ならわかるかもしれませんが、なんらかのスイッチが入ると鏡に映る自分が絶世の美女に見えてくるのです。本当です。実際とてもかわいい子が自分と同じ(鏡に写っているため反対向き)動作を行う様はそれはもう、なんというか楽しいわけです。

 

さて、その日もそのスイッチが入った僕は女装外出をすることにしました。基本的にチキンなので夜です。大抵は夜に外を歩くと満足しますが、その日はノリに乗っていました。夜の街を歩いて証明写真を撮って帰ってくるというミッションを達成させた嬉しさからさらなるハードルを目指して助走ならぬ女装をしようと思い立ってしまったのです。

車に乗ってセルフのガソリンスタンドへ行こう…と。

 

車と言っても当時は所有しておらずカーシェアを利用していました。

カーシェアのとってもいいところは人に会うことなく車を借りることができることに尽きると思います。人に会わない、すなわちヘボい女装をしていても問題ないということです。

加えて、セルフのガソリンスタンドであれば、他の客がいない場合、夜は半分寝ながらスマホを弄って客が来たらボタンを押す店員しかいないわけです。これなら今の僕でも行けると確信しました。

 

意気揚々です。

ナビでセルフのガソリンスタンドをセットし指示に従いながら行くことにしました。

ここまでは順調でした。ところがこの後、間違いを犯します。ナビゲーションの無視です。

 

もう引っ越してだいぶ経つので特定もクソもないのでいいますが、当時は南荻窪に住んでいました。そこで車を借りて、近い、タイムズの給油カードが使える、割と広いの条件を兼ね備えた「出光プリテール荻窪SS」に行くことにしました。

 

都道438号(早稲田通り)と都道4号(青梅街道)の交わった(井草八幡前)ところに存在し、南荻窪から向かうには、青梅街道をその交差点まで行き、早稲田通りに入り右折入庫、もしくはその交差点より先に早稲田通りに出てから左折入庫の2択が選択可能。

右折で入るのは嫌なので左折できる道で行こうと考えました。とりあえず青梅街道にでた僕はどこかの交差点でガソスタ到達前に右折をして早稲田通りに出てしまおうと考えました。

夜なので空いていました。すると曲がるのにちょうどよい交差点を見つけました。幸い対向車もいません。僕はハンドルを右に切ります。「クイーンズ伊勢丹杉並桃井店」前の交差点です。

そのときはラジオを付けており、小泉今日子なんてったってアイドルが流れていました。別にこの曲名がオチに関わることはなくただ覚えているだけです。

 

交差点を曲がると、警察官のような服装の人間が行く手を阻んできました。最初は、クイーンズ伊勢丹の駐車場整理の警備員だと思い通過しようと思いました。しかし彼らはなかなか諦めようとしません。はて、妙です。こいつは警備員ではなく警察官なのではないかと気づいたのは窓を開いて右折禁止違反をしたことを伝えられてからです。

 

ナビを無視して右折した結果、クイーンズ伊勢丹に入ろうとして右折するバカ対策に待っていた警官が構えていた網に、ガソスタに行こうとしていた女装の変態がかかってしまいました。とんだ災難です。

 

その後は交通違反で捕まった方ならわかるでしょうが、免許証の提示を求められます。相手が、店舗の警備員であるならば僕が女装した変態なのではなく、いわゆる普通の女の子であるフリを行う必要があるんでしょうが相手は警察です。免許証を渡してしまってはどうしようもありません。地声で対応です。

 

警官は訪ねてきます「男性の方ですか?^^」

これは聞く必要があるのか不明です。免許証の男性にしか用いられない名前と地声を聞いていればほぼ分かるはずです。顔写真も化粧をしていたとはいえ同じ顔に見えるはずです。それなのに聞いてくるのは完全にからかっているとしかおもえません。なんだかしらないけどめっちゃニヤついています。ちょけられてます。今考えると、もし性別移行者だった場合、結構センシティブな問題になる質問ですねこれ。まあ僕はただの女装した変態なんですけれど。

僕は出せるだけ低い声でその問いに答えを出しました。

 

最近は、女装した状態で普段の社員証を首から下げて自撮りをするのがマイブームになっているので、女装した状態で男性時の写真を見せるシチュエーションってのはなかなか興奮すると今は思います。しかし、その時はそんな余裕は持ち合わせていませんでした。

 

まあその後は恒例の青切符の発行です。それが終われば普通なら解放されます。僕はこれは勝ったと思いました。なにせ女装をすべて見せたわけではないのですから。

こちらは自動車に乗っているわけで、ぶっちゃけ上半身しか相手には開示していません。つまり女装で結構大切になってくるアイテムであるところのスカートはよく見えない状態ということになります。ちょっと髪の長い下手くそな化粧をした男性であって、まだ女装した変態であるという要素はすべて開示されていないということです。

 僕は勝利を確信しこのまま警察と別れて女装ガソスタ計画に戻ろうと思いました。

 

しかし彼はとんでもないことを口にしたのです。

「それじゃ、これから右折禁止の標識を僕と一緒に見に行きましょうか…」

僕はとてつもなく困った顔をしていたと思います。しかし警察に歯向かう気にもなりませんでした。右折禁止の標識を見に行くということはこれ要は車から降りて歩行という名称の動作を行いなさいという意味です。下半身を隠し通す算段でしたがもうどうしようもありません。いざゆかん女装の開示へ…

 

ここでその時の僕の服装を振り返ってみましょう。

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 ボサボサしたウィッグ、白いユニクロだかアースだかのブラウス、ブックオフスーパーバザーでかったなんかオフィスカジュアルチックなウエストゴムのスカート、とてつもなくデニール数の高い黒タイツ、7センチヒールのパンプスです。少しチキったので男性向けウィンドブレーカーなんぞを着ています。数年前なのでこれで外に出ましたがいまこのクオリティでは外に出たくないです。

まあその時は絶世の美女に見えていたのですから仕方ありません。

 

この格好で警察とともに標識まで歩いて行きました。

コツコツと響くパンプスの音。なびくスカートとタイツの感触。

これが何らかの創作であるならば最高です。

しかしこれは現実でした。

冷や汗をダラダラかきながら平静を装って歩きました。普段からこの格好なんですよといった具合に。

 

この後警官に解放されましたが、もうガソスタ計画を実施する元気は残っていませんでした。スイッチも切れてしまいこんな格好で外にいるのが怖くなってきました。

一目散に車を返却し家に帰りました。

 

教訓としては、ナビを無視しないことですかね。

あとは警官と女装して散歩できるなんてなかなかない機会なのでもっと楽しむべきだったのではないかと今では考える次第です。

以上

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 ストリートビューで確認してみたら例の場所にポールが設置されて右折できなくなっていました。これで女装外出も安心ですね。